本作品は、北部の御所見地区で有機農業を生業ではなく、自己実現の手段として実践している人たちの姿を写しています。
それぞれの理念と理想に基づいて野菜の生産をしている”小さな農家”の、日々の畑の記録から生まれた人間ドキュメントです。

(推薦の言葉)
この映画は「人生の柄」の織り方を描いている。
「みんなが同じ柄を織る必要はないんだよ」と。
「畑の柄」も人それぞれ違う。
そして、失敗したって「まあ、いいか」と前を向く。
この映画からぼくが学んだのは、「人生の柄」も「畑の柄」も
愛の織物だということ。そして有機農業は愛情農業だということ。
18歳で東京に出た農家の長男のぼくは、45年が過ぎた5年前、
故郷へ戻り、農業を始めた。そんなぼくが耕す「田畑の柄」は未だはっきりしない。
やっぱり愛が足りないんだな。(代島治彦 ドキュメンタリー作家)
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2006年に制定された有機農業推進法では、有機農業は化学的に合成された肥料及び農薬を使用しない事を基本とします。
それは田畑に存在する全ての「いのち」をその場で巡らせることで、人間が手を貸すのはほんの少し、ほぼ自然の采配に委ねます。
それは生きとし生けるもの、全てがつながる世界です。
神奈川県藤沢市は人口約44.4万人で湘南地方の中心都市。
南部は江ノ島、鵠沼海岸を有する県内有数の観光エリアです。
北部は農業振興地域として農地が保全され、田園風景が広がっています。
市内の農業就農者は1461人、販売農家数は557戸、そして有機農家は51戸です。
(2025年、市農水課のデータ)
津村和比古・撮影にあたって
この作品を作るにあたり、最初に藤沢の有機農業のレジェンドと言われている相原農場の相原成行さんを訪ねました。
宮原地区で代々農業を営んできた5代目は、有機農業を一言でとの問いに、敢えて言うなら「生き方」としか言えないと答えられました。
一般的に仕事は、作業効率や目先の利益が優先されます。
しかし有機農業では待つ事、耐えることが何より肝要です。
畑に添う、いのちに添う、自然に添うという有機農業の理。
監督プロフィール
日本映画撮影監督協会会員
第21回日本映画撮影監督協会賞(JSC賞)受賞。
初監督作品「かぐやびより」うえだ城下町映画祭自主映画コンテストで審査員賞受賞。
制作スタッフ
監督・撮影・編集
津村和比古(J・S・C)
撮影・カラーリスト
相馬正彦(サンズ)
整音:滝澤 修
画:三本木海人
タイトル字:橋本安希子
宣伝美術:鈴木 衛
挿入楽曲:小林夕夏
(sunsetsummer)
制作:(有)津村和比古事務所
〒145-0063
東京都大田区南千束1-3-15 090-1424-4775